「入力の手間を減らしたい」「抜け漏れなく管理したい」という2つの要望に対して、あるべき業務の姿(To-Be)から考え直し、そこから逆算して必要な画面・機能を並べ、最後に 「既製のCRMを買うか/自分たちで作るか」 を比較して、進め方を1つ推奨します。
読む順番は「要求 → あるべき業務 → 必要な機能 → 作り方の比較 → 推奨」です。
すべての判断は、この2軸に立ち返って行います。
| # | 要求 | 中身 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| (1) | 入力工数を削減する | 記録が面倒で後回しにならない。ひとつの活動を最小の手数で残せる | ★最優先 |
| (2) | 抜け漏れなく適切に管理する | 顧客360°(1人の全履歴)/活動履歴/次の一手/在庫との連動が、いつでも見える | ★重要 |
入力の基本ルール(前提): 顧客は一人ずつ・都度記録する(まとめて一括ではなく、活動が起きたその場で1件ずつ残す)。
このため設計の合言葉は 「入力は最小、管理は最大」。入力を減らす仕組みと、管理を助ける仕組みを、はっきり分けて考えます。
CFCLのPR/プロモは「モノを売る営業」ではなく、人との関係を丁寧に育てる仕事です。ギフティング・会食・イベント招待・手紙は、すべて「関係づくり」という1本の線でつながっています。理想は、その1本の線が記録の苦労なしに残り、次の一手が自然に見える状態です。
キーワードは3つ:選ぶだけで記録できる/全部が1本につながって見える/次の一手が向こうから見えてくる。
| 場面 | 現状(As-Is)の手間 | 理想(To-Be) |
|---|---|---|
| 活動を記録する | 該当するExcelシートを探して開き、顧客名・商品名・担当を毎回手で書く | 顧客と商品を選ぶだけ。ID・担当・区分は自動で入る |
| 在庫を合わせる | ギフト実績と在庫表を別々に手で更新、ズレが起きる | ギフト記録と同時に在庫が自動で減る |
| 顧客の全体像を見る | 複数シートを横断して探す。全体像が頭の中にしかない | 顧客名を開けば全履歴が1画面(顧客360°) |
| 次にやることを思い出す | 記憶や個人メモ頼り。抜け漏れが出る | 次アクション予定日が自動でリスト化される |
| イベントの出欠を追う | 招待・出欠・当日実績が別管理になりがち | 1イベントに招待→出欠→実績が串刺しで見える |
要点: 現状は「記録が手間 → 後回し → 抜け漏れ → 全体像が見えない」の悪循環。
理想は「選ぶだけ → その場で記録 → 自動で1本につながる → 次の一手が見える」の好循環。
要望どおり「業務一覧 → 業務フロー → 画面一覧(遷移)→ 機能一覧」の順で、大きいところから細かいところへ落とし込みます。機能は 「入力を減らす機能」 と 「管理を助ける機能」 を分けて記載します。
現在の管理Excelの構造にそのまま対応させています(存在しない列・シートは前提にしていません)。
| # | 業務 | 対応する現状Excel | ねらう要求 |
|---|---|---|---|
| A | 顧客管理 | 顧客一覧 | 管理(2) |
| B | ギフティング(在庫連動) | ギフティング在庫 + 在庫管理 | 入力(1)・管理(2) |
| C | ギフティングその他(会食・手紙・その他活動) | ギフティングその他/ディナー/手紙 | 入力(1)・管理(2) |
| D | 先方イベント参加 | 先方イベント参加 | 管理(2) |
| E | 自社イベント管理(招待・出欠) | イベント一覧 + イベント出欠 | 入力(1)・管理(2) |
| F | 在庫管理 | 在庫管理 | 管理(2) |
| G | 次アクション管理・振り返り(横断) | 各活動の予定日を集約(※後述のデータ拡張が必要) | 管理(2) |
除外: アンケート機能は今回のスコープから外します(要望どおり)。
代表的な2つの流れを例に、「選ぶだけで進む」姿を示します。
顧客を選ぶ ──▶ 商品を選ぶ ──▶ 数量を入れる ──▶ 在庫が自動で減る
│
▼
実施ステータスを更新(予定→実施)
│
▼
Instagram投稿の有無を記録 ──▶ 投稿URLを貼る
※ 顧客ID・活動ID・担当は自動。手で書くのは「数量」と「投稿URL」くらい。
イベントを作る ──▶ 招待者を顧客から選ぶ ──▶ 招待ステータス管理
│
▼
出欠を記録 ──▶ 当日実績を記録
※ 顧客を選ぶだけで、そのイベントの招待者一覧に串刺しされる。
顧客を選ぶ ──▶ 活動の種類を選ぶ(会食/手紙/その他)──▶ 種類に応じた項目だけ表示
│
▼
入力内容が自動で正しいシート(ディナー/手紙/その他)に振り分けられる
※ 担当者は「どのシートに書くか」を意識しなくてよい(自動振り分け)。
| 画面 | 役割 | 主な遷移先 |
|---|---|---|
| ダッシュボード(トップ) | 次アクション・在庫アラート・最近の活動を集約 | → 顧客詳細/在庫詳細/各活動入力 |
| 顧客一覧 | 全顧客を区分・担当・ステータスで絞り込み | → 顧客詳細 |
| 顧客詳細(顧客360°) | 1顧客の全活動を時系列で表示。ここから記録もできる | → 活動入力/イベント詳細/在庫詳細 |
| 活動入力(モーダル/フォーム) | ギフト・会食・手紙などを1件記録 | → 顧客詳細に戻る |
| イベント一覧 | 自社イベントを種別・期間で一覧 | → イベント詳細 |
| イベント詳細 | そのイベントの招待者・出欠・当日実績 | → 顧客詳細 |
| 在庫一覧 | 商品ごとの現在庫・アラート | → 在庫詳細 |
| 在庫詳細 | その商品の配布履歴(誰にいつ何個) | → 顧客詳細 |
| 次アクション一覧 | 予定日順に「やること」を集約 | → 顧客詳細 |
ダッシュボード ├─ 顧客一覧 ──▶ 顧客詳細(360°) ──▶ 活動入力 │ └────────▶ イベント詳細 / 在庫詳細 ├─ イベント一覧 ─▶ イベント詳細 ─▶ 顧客詳細 ├─ 在庫一覧 ────▶ 在庫詳細 ────▶ 顧客詳細 └─ 次アクション一覧 ─▶ 顧客詳細
※ どの画面からも「顧客詳細(360°)」に戻れるのが基本設計。すべてが顧客を中心につながる。
| 機能 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 自動採番 | 顧客ID・活動ID・イベントIDを自動発番 | 番号を考えない・重複しない |
| 選択式入力 | 顧客・商品・イベントはマスタから選ぶ(手打ちしない) | 誤記ゼロ・時短 |
| 自動補完 | 顧客を選ぶと担当・区分・連絡先が自動で入る | 転記が消える |
| 自動振り分け | 活動の種類を選ぶと正しいシート/テーブルへ自動仕分け | どこに書くか迷わない |
| 在庫自動連動 | ギフト数量を入れると在庫が自動で減り、現在庫・アラートも自動更新 | 二重管理・ズレが消える |
| 重複入力排除 | 顧客名・商品名は一度登録すれば以後は選ぶだけ | 同じ情報を二度書かない |
| 機能 | 内容 | 効果 |
|---|---|---|
| 顧客360° | 1顧客の全活動(ギフト・会食・イベント・手紙・在庫)を1画面に集約 | 全体像が一目で分かる |
| 活動タイムライン | 活動を時系列で並べる | 関係の流れが見える |
| 次アクション抽出 | 予定日を横断集約し、期日順にリスト化 | 抜け漏れが消える |
| 絞り込み・集計 | 区分/担当/ステータス/期間で絞り込み、件数・金額を集計 | 状況把握・報告が速い |
| ドリルダウン | 集計から個別へ、逆に個別から関連へ掘り下げる | 「なぜ」をその場で追える |
| 起点 | 掘り下げ先 |
|---|---|
| 顧客 | → その顧客の活動履歴(全種類) |
| イベント | → 招待者一覧 → 出席者一覧 → 各出席者の顧客詳細 |
| ギフティング | → 対象商品 → Instagram投稿(有無・URL) |
| 在庫 | → その商品の配布履歴(誰に・いつ・何個) |
現状Excelの列だけでは実現できず、列の追加(データ拡張)が前提になる機能を、混同しないよう別記します。
| 機能 | 不足している情報 | 必要な拡張 |
|---|---|---|
| 全活動横断の次アクション管理 | 「次アクション予定日」列は手紙シートにしかない | 各活動シートにも「次アクション」「予定日」列を追加 |
| 顧客360°の集計指標(最終接触日・累計ギフト額など) | 集計の元になる派生項目が未定義 | 集計フィールドの定義(計算は既存列から可能だが定義が必要) |
| Instagram投稿の効果測定(いいね・リーチ等) | 反応数の列が存在しない | 効果指標の列を追加(外部連携が要る場合あり) |
「どう作るか」を3案で比較します。CFCL固有の制約に照らして評価します。
| 案 | 概要 |
|---|---|
| ① 既製CRMを導入 | HubSpot/Notion/kintone/Airtable などの出来合いサービスを契約して使う |
| ② 内製ローカルWebアプリ | 自分たち(MNML)で作る。手元PCで動く入力+閲覧アプリ。Excelはデータ保管・出力に降格 |
| ③ 既存Excel強化+HTML閲覧 | 今のExcelに入力規則・数式だけ足し、閲覧用のHTML画面を別途用意する |
| サービス | 特性 | 機密性(データの置き場所) | ギフト×在庫連動 | 月額の目安 |
|---|---|---|---|---|
| HubSpot 無料 | 顧客管理の基本は無料。ただし機能・件数に上限 | 米国クラウド | 標準機能に無い | 0円(上限あり) |
| HubSpot 有料 | 高機能。営業・マーケ向け | 米国クラウド | 別途カスタム/連携が必要 | 数万〜十数万円/月 |
| Notion | 自由なデータベース。柔軟だが自動化は弱い | 米国クラウド | 手作りで一部可(自動化限定的) | 約1,650円/人・月 |
| kintone | 国産。業務アプリを自作できる | サイボウズ国内DC(相対的に安心だが外部クラウド) | ルックアップ+計算でやや作れる | 約1,000〜1,800円/人・月 |
| Airtable | 表計算+DB。自動化あり | 米国クラウド | オートメーションで手作り可 | 約$20/人・月 |
共通の弱点: いずれも「営業パイプライン」や「汎用データベース」が前提で、ギフティング×在庫の自動連動は標準機能に無い。作り込みか外部連携が必要です。
そして最大の論点は次の機密性です。
顧客の実名(VIP・メディア・インフルエンサー 約1,220件)を外部クラウドに置くべきか。
評価: ◎優れる ○良い △やや弱い ×弱い
| 比較軸 | ① 既製CRM | ② 内製ローカルWeb | ③ Excel強化+HTML閲覧 |
|---|---|---|---|
| 導入スピード | ○ 速い(設定は必要) | △ 中(既存設計を流用可) | ◎ 最速 |
| 初期・月額コスト | △ 月額が人数分かかる | ◎ 初期は開発工数、月額ほぼ0 | ◎ ほぼ0 |
| 機密性(実名の置き場所) | × 外部クラウド | ◎ 手元に留まる | ◎ 手元に留まる |
| 独自業務(ギフト×在庫連動) | △ 標準に無く作り込み要 | ◎ 完全適合 | ○ 数式で在庫計算は可 |
| 入力工数削減効果 | ○ フォーム/選択式は標準 | ◎ 業務特化で最大化 | △ 一部のみ(シート跨ぎ自動化に限界) |
| 運用・保守 | ○ ベンダー保守(値上げ/終了リスク) | ○ MNMLが保守(小規模で軽い) | △ 複雑化すると壊れやすい・属人化 |
理由(CFCLの制約に照らして)
①を推さない理由: 機密性(外部クラウド)とギフト×在庫連動の不適合。この2点がCFCLの制約と正面から衝突します。
③単独を推さない理由: 入力削減効果が限定的で、要求(1)を十分に満たせません。ただし入口としては有効(下記フェーズ0)。
いきなり全部作るのではなく、すぐ価値が出るところから始めます。
| フェーズ | やること | 得られる価値 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| フェーズ0(即時) | 既存Excelに入力規則・ドロップダウン・在庫自動計算を追加。閲覧用HTMLで顧客360°・タイムラインを提供 | すぐに「選んで入れる/全体が見える」を体験 | ③を入口として活用 |
| フェーズ1(本命) | 内製ローカルWeb入力層を追加(自動採番・自動補完・在庫自動連動・自動振り分け)。Excelはデータ保管・出力に降格 | 入力工数を本格的に削減。要求(1)を実現 | ②の中核 |
| フェーズ2(拡張) | 次アクションの横断管理・集計ダッシュボードを拡充 | 抜け漏れ管理を強化。要求(2)を完成 | ②+データ拡張 |
フェーズ2では「各活動シートに次アクション列を追加」などデータ拡張が前提になります(第3章(D)参照)。着手前にCEOに確認します。
agents/workers/architect/output/DESIGN_cfcl_pr_crm_make_or_buy.md| 案 | 内容 | 採否 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 案A | ② 内製ローカルWebアプリ(段階導入) | 採用 | 機密が手元に留まり、ギフト×在庫連動に完全適合、入力削減を最大化、月額ほぼ0 |
| 案B | ① 既製CRM(HubSpot等) | 却下 | 実名を外部クラウドに預ける/ギフト×在庫連動が標準に無い |
| 案C | ③ Excel強化+HTML閲覧(単独) | 一部採用 | 単独では入力削減が限定的。フェーズ0の入口としてのみ採用 |