CFCL PR・プロモCRM 意思決定ドキュメント
(統合最終版)

対象: CFCL PR/プロモチームの顧客関係管理(ギフティング・会食・イベント招待・手紙・在庫連動) 読み手: CEO(非エンジニア前提) 作成: architect(W層) 位置づけ: 先行の同テーマ依頼を1本に統合した最終版

この資料のねらい

「入力の手間を減らしたい」「抜け漏れなく管理したい」という2つの要望に対して、あるべき業務の姿(To-Be)から考え直し、そこから逆算して必要な画面・機能を並べ、最後に 「既製のCRMを買うか/自分たちで作るか」 を比較して、進め方を1つ推奨します。

読む順番は「要求 → あるべき業務 → 必要な機能 → 作り方の比較 → 推奨」です。

1ビジネス要求の再確認(2つの軸)

すべての判断は、この2軸に立ち返って行います。

#要求中身優先度
(1) 入力工数を削減する 記録が面倒で後回しにならない。ひとつの活動を最小の手数で残せる ★最優先
(2) 抜け漏れなく適切に管理する 顧客360°(1人の全履歴)/活動履歴/次の一手/在庫との連動が、いつでも見える ★重要

入力の基本ルール(前提): 顧客は一人ずつ・都度記録する(まとめて一括ではなく、活動が起きたその場で1件ずつ残す)。

このため設計の合言葉は 「入力は最小、管理は最大」。入力を減らす仕組みと、管理を助ける仕組みを、はっきり分けて考えます。

2理想業務(To-Be)と現状(As-Is)の対比

2-1. あるべき姿(To-Be)

CFCLのPR/プロモは「モノを売る営業」ではなく、人との関係を丁寧に育てる仕事です。ギフティング・会食・イベント招待・手紙は、すべて「関係づくり」という1本の線でつながっています。理想は、その1本の線が記録の苦労なしに残り、次の一手が自然に見える状態です。

理想の1日のイメージ(担当者目線)

  1. VIPにギフトを送った → 顧客を選んで商品を選ぶだけで記録完了。在庫は勝手に減る。
  2. 会食をした → 顧客を選んで日付を入れるだけ。担当や区分は自動で入る。
  3. 顧客の名前を開くと → その人との全履歴(ギフト・会食・イベント・手紙)が1画面に時系列で並ぶ。
  4. 朝、画面を開くと → 「そろそろ連絡すべき人」「次アクション予定日が近い人」が自動で並んでいる。
  5. イベントを開いたら → 招待した人・来た人・当日の反応がひと目でわかる。

キーワードは3つ:選ぶだけで記録できる/全部が1本につながって見える/次の一手が向こうから見えてくる。

2-2. 現状(As-Is)との対比

場面現状(As-Is)の手間理想(To-Be)
活動を記録する該当するExcelシートを探して開き、顧客名・商品名・担当を毎回手で書く顧客と商品を選ぶだけ。ID・担当・区分は自動で入る
在庫を合わせるギフト実績と在庫表を別々に手で更新、ズレが起きるギフト記録と同時に在庫が自動で減る
顧客の全体像を見る複数シートを横断して探す。全体像が頭の中にしかない顧客名を開けば全履歴が1画面(顧客360°)
次にやることを思い出す記憶や個人メモ頼り。抜け漏れが出る次アクション予定日が自動でリスト化される
イベントの出欠を追う招待・出欠・当日実績が別管理になりがち1イベントに招待→出欠→実績が串刺しで見える
要点: 現状は「記録が手間 → 後回し → 抜け漏れ → 全体像が見えない」の悪循環。
理想は「選ぶだけ → その場で記録 → 自動で1本につながる → 次の一手が見える」の好循環。

3業務 → フロー → 画面 → 機能(4階層の取りまとめ)

要望どおり「業務一覧 → 業務フロー → 画面一覧(遷移)→ 機能一覧」の順で、大きいところから細かいところへ落とし込みます。機能は 「入力を減らす機能」「管理を助ける機能」 を分けて記載します。

3-1. 業務一覧(何をする仕事か)

現在の管理Excelの構造にそのまま対応させています(存在しない列・シートは前提にしていません)。

#業務対応する現状Excelねらう要求
A顧客管理顧客一覧管理(2)
Bギフティング(在庫連動)ギフティング在庫 + 在庫管理入力(1)・管理(2)
Cギフティングその他(会食・手紙・その他活動)ギフティングその他/ディナー/手紙入力(1)・管理(2)
D先方イベント参加先方イベント参加管理(2)
E自社イベント管理(招待・出欠)イベント一覧 + イベント出欠入力(1)・管理(2)
F在庫管理在庫管理管理(2)
G次アクション管理・振り返り(横断)各活動の予定日を集約(※後述のデータ拡張が必要)管理(2)
除外: アンケート機能は今回のスコープから外します(要望どおり)。

3-2. 業務フロー(どう流れるか)

代表的な2つの流れを例に、「選ぶだけで進む」姿を示します。

■ ギフティングの流れ(在庫連動あり)

顧客を選ぶ ──▶ 商品を選ぶ ──▶ 数量を入れる ──▶ 在庫が自動で減る
                                                     │
                                                     ▼
                                     実施ステータスを更新(予定→実施)
                                                     │
                                                     ▼
                            Instagram投稿の有無を記録 ──▶ 投稿URLを貼る

※ 顧客ID・活動ID・担当は自動。手で書くのは「数量」と「投稿URL」くらい。

■ 自社イベントの流れ(招待→出欠→実績)

イベントを作る ──▶ 招待者を顧客から選ぶ ──▶ 招待ステータス管理
                                                │
                                                ▼
                                   出欠を記録 ──▶ 当日実績を記録

※ 顧客を選ぶだけで、そのイベントの招待者一覧に串刺しされる。

■ その他活動(会食・手紙など)の流れ

顧客を選ぶ ──▶ 活動の種類を選ぶ(会食/手紙/その他)──▶ 種類に応じた項目だけ表示
       │
       ▼
入力内容が自動で正しいシート(ディナー/手紙/その他)に振り分けられる

※ 担当者は「どのシートに書くか」を意識しなくてよい(自動振り分け)。

3-3. 画面一覧と遷移(どこを見て、どこへ動くか)

画面役割主な遷移先
ダッシュボード(トップ)次アクション・在庫アラート・最近の活動を集約→ 顧客詳細/在庫詳細/各活動入力
顧客一覧全顧客を区分・担当・ステータスで絞り込み→ 顧客詳細
顧客詳細(顧客360°)1顧客の全活動を時系列で表示。ここから記録もできる→ 活動入力/イベント詳細/在庫詳細
活動入力(モーダル/フォーム)ギフト・会食・手紙などを1件記録→ 顧客詳細に戻る
イベント一覧自社イベントを種別・期間で一覧→ イベント詳細
イベント詳細そのイベントの招待者・出欠・当日実績→ 顧客詳細
在庫一覧商品ごとの現在庫・アラート→ 在庫詳細
在庫詳細その商品の配布履歴(誰にいつ何個)→ 顧客詳細
次アクション一覧予定日順に「やること」を集約→ 顧客詳細

遷移の全体像(簡易)

ダッシュボード
   ├─ 顧客一覧 ──▶ 顧客詳細(360°) ──▶ 活動入力
   │                     └────────▶ イベント詳細 / 在庫詳細
   ├─ イベント一覧 ─▶ イベント詳細 ─▶ 顧客詳細
   ├─ 在庫一覧 ────▶ 在庫詳細 ────▶ 顧客詳細
   └─ 次アクション一覧 ─▶ 顧客詳細

※ どの画面からも「顧客詳細(360°)」に戻れるのが基本設計。すべてが顧客を中心につながる。

3-4. 機能一覧(分けて記載)

(A) 入力を減らす機能 = 要求(1) を実現

機能内容効果
自動採番顧客ID・活動ID・イベントIDを自動発番番号を考えない・重複しない
選択式入力顧客・商品・イベントはマスタから選ぶ(手打ちしない)誤記ゼロ・時短
自動補完顧客を選ぶと担当・区分・連絡先が自動で入る転記が消える
自動振り分け活動の種類を選ぶと正しいシート/テーブルへ自動仕分けどこに書くか迷わない
在庫自動連動ギフト数量を入れると在庫が自動で減り、現在庫・アラートも自動更新二重管理・ズレが消える
重複入力排除顧客名・商品名は一度登録すれば以後は選ぶだけ同じ情報を二度書かない

(B) 管理を助ける機能 = 要求(2) を実現

機能内容効果
顧客360°1顧客の全活動(ギフト・会食・イベント・手紙・在庫)を1画面に集約全体像が一目で分かる
活動タイムライン活動を時系列で並べる関係の流れが見える
次アクション抽出予定日を横断集約し、期日順にリスト化抜け漏れが消える
絞り込み・集計区分/担当/ステータス/期間で絞り込み、件数・金額を集計状況把握・報告が速い
ドリルダウン集計から個別へ、逆に個別から関連へ掘り下げる「なぜ」をその場で追える

(C) ドリルダウン例(網羅)

起点掘り下げ先
顧客→ その顧客の活動履歴(全種類)
イベント→ 招待者一覧 → 出席者一覧 → 各出席者の顧客詳細
ギフティング→ 対象商品 → Instagram投稿(有無・URL)
在庫→ その商品の配布履歴(誰に・いつ・何個)

(D) データ拡張が必要な機能(※実在しない列を前提にする機能)

現状Excelの列だけでは実現できず、列の追加(データ拡張)が前提になる機能を、混同しないよう別記します。

機能不足している情報必要な拡張
全活動横断の次アクション管理「次アクション予定日」列は手紙シートにしかない各活動シートにも「次アクション」「予定日」列を追加
顧客360°の集計指標(最終接触日・累計ギフト額など)集計の元になる派生項目が未定義集計フィールドの定義(計算は既存列から可能だが定義が必要)
Instagram投稿の効果測定(いいね・リーチ等)反応数の列が存在しない効果指標の列を追加(外部連携が要る場合あり)
注意: (D) の機能は「今すぐは作れない/列を足せば作れる」ものです。要件確定時に、列追加の是非をCEOに確認します。

4実現方式の比較(買うか・作るか=Make or Buy)

「どう作るか」を3案で比較します。CFCL固有の制約に照らして評価します。

CFCLの制約(評価の物差し)

4-1. 3つの案

概要
① 既製CRMを導入HubSpot/Notion/kintone/Airtable などの出来合いサービスを契約して使う
② 内製ローカルWebアプリ自分たち(MNML)で作る。手元PCで動く入力+閲覧アプリ。Excelはデータ保管・出力に降格
③ 既存Excel強化+HTML閲覧今のExcelに入力規則・数式だけ足し、閲覧用のHTML画面を別途用意する

4-2. 既製CRM各サービスの特性(①の中の選択肢)

サービス特性機密性(データの置き場所)ギフト×在庫連動月額の目安
HubSpot 無料顧客管理の基本は無料。ただし機能・件数に上限米国クラウド標準機能に無い0円(上限あり)
HubSpot 有料高機能。営業・マーケ向け米国クラウド別途カスタム/連携が必要数万〜十数万円/月
Notion自由なデータベース。柔軟だが自動化は弱い米国クラウド手作りで一部可(自動化限定的)約1,650円/人・月
kintone国産。業務アプリを自作できるサイボウズ国内DC(相対的に安心だが外部クラウド)ルックアップ+計算でやや作れる約1,000〜1,800円/人・月
Airtable表計算+DB。自動化あり米国クラウドオートメーションで手作り可約$20/人・月
共通の弱点: いずれも「営業パイプライン」や「汎用データベース」が前提で、ギフティング×在庫の自動連動は標準機能に無い。作り込みか外部連携が必要です。
そして最大の論点は次の機密性です。

4-3. 機密性の是非(明記)

顧客の実名(VIP・メディア・インフルエンサー 約1,220件)を外部クラウドに置くべきか。

4-4. 比較表(6つの軸)

評価: ◎優れる ○良い △やや弱い ×弱い

比較軸① 既製CRM② 内製ローカルWeb③ Excel強化+HTML閲覧
導入スピード 速い(設定は必要) 中(既存設計を流用可) 最速
初期・月額コスト 月額が人数分かかる 初期は開発工数、月額ほぼ0 ほぼ0
機密性(実名の置き場所) × 外部クラウド 手元に留まる 手元に留まる
独自業務(ギフト×在庫連動) 標準に無く作り込み要 完全適合 数式で在庫計算は可
入力工数削減効果 フォーム/選択式は標準 業務特化で最大化 一部のみ(シート跨ぎ自動化に限界)
運用・保守 ベンダー保守(値上げ/終了リスク) MNMLが保守(小規模で軽い) 複雑化すると壊れやすい・属人化

4-5. 各案のメリット・デメリット(要点)

① 既製CRM

② 内製ローカルWebアプリ

③ 既存Excel強化+HTML閲覧

5推奨と次のアクション

5-1. 推奨方式

★ 推奨

② 内製ローカルWebアプリ(段階導入)

理由(CFCLの制約に照らして)

  1. 機密性: 実名 約1,220件を外部クラウドに出さずに済む(①を外す決定打)。
  2. 独自業務: ギフティング×在庫連動という他社CRMにない業務に、完全に合わせられる。
  3. 入力削減の最大化: 自動採番・自動補完・在庫自動連動・自動振り分けを業務特化で作り込める=要求(1)に最も効く。
  4. コスト: 月額ほぼ0。API課金なし志向に合致(CRMはAIを使わないため従量課金が出ない)。
  5. 資産の再利用: 既存のデータモデル・画面・機能の設計と、PR原稿ツールのローカル基盤をそのまま活かせる。

①を推さない理由: 機密性(外部クラウド)とギフト×在庫連動の不適合。この2点がCFCLの制約と正面から衝突します。

③単独を推さない理由: 入力削減効果が限定的で、要求(1)を十分に満たせません。ただし入口としては有効(下記フェーズ0)。

5-2. 段階導入案(小さく始めて、効果を見て広げる)

いきなり全部作るのではなく、すぐ価値が出るところから始めます。

フェーズやること得られる価値位置づけ
フェーズ0(即時) 既存Excelに入力規則・ドロップダウン・在庫自動計算を追加。閲覧用HTMLで顧客360°・タイムラインを提供 すぐに「選んで入れる/全体が見える」を体験 ③を入口として活用
フェーズ1(本命) 内製ローカルWeb入力層を追加(自動採番・自動補完・在庫自動連動・自動振り分け)。Excelはデータ保管・出力に降格 入力工数を本格的に削減。要求(1)を実現 ②の中核
フェーズ2(拡張) 次アクションの横断管理・集計ダッシュボードを拡充 抜け漏れ管理を強化。要求(2)を完成 ②+データ拡張
フェーズ2では「各活動シートに次アクション列を追加」などデータ拡張が前提になります(第3章(D)参照)。着手前にCEOに確認します。

5-3. 次のアクション(CEOにお願いしたい判断)

  1. 推奨方式(②内製・段階導入)の承認可否 … これで進めてよいか。
  2. フェーズ0の即時着手可否 … 既存Excel強化+HTML閲覧を先に出して価値を体感するか。
  3. データ拡張(次アクション列の追加など)の是非 … フェーズ2で列を足してよいか。
  4. 利用範囲の確認 … 手元PCでの利用で十分か/外出先・複数人同時利用が必要か(必要なら設計を追加)。

6Verification

Verification Plan

Verification Result


7設計完了チェックリスト

前提条件

副作用・影響範囲

代替案(却下理由)

内容採否理由
案A ② 内製ローカルWebアプリ(段階導入) 採用 機密が手元に留まり、ギフト×在庫連動に完全適合、入力削減を最大化、月額ほぼ0
案B ① 既製CRM(HubSpot等) 却下 実名を外部クラウドに預ける/ギフト×在庫連動が標準に無い
案C ③ Excel強化+HTML閲覧(単独) 一部採用 単独では入力削減が限定的。フェーズ0の入口としてのみ採用

リスク・懸念事項