CFCL IT統合プロジェクト

新業務 マスタ要件 v0.2ドラフト — 正本(SoT)・名寄せ・更新波及ルール

作成日: 2026-07-14 対象: 要件定義v0.1「04_マスタ統合要件」を起点に拡充 ステータス: v0.2ドラフト(未確定論点あり)
本資料は読み取り専用の元資料(要件定義書v0.1As-Is帳票マスタ突合表商品マスタ/SKUファイル)に基づき作成しています。 数値・事実は元資料に依拠し、資料に無い内容や推定箇所は「(推定)」と明記します。

1現状の課題 — なぜマスタ要件が必要か

As-Is課題マップ(As-Is帳票マスタ突合表_20260706)では、全79ファイルのうち7件が重複・版乱立フラグ付きで検出されており、 マスタの二重管理・手動転記が現場の負荷とデータ不整合の主因となっています。特に以下3課題がマスタ要件に直結します。

I-2 マスタの二重管理(PLM移行途上)

FUKU296(PLM)への移行が途上で「新システム不明点多数」。GROUP MAP原本を全下流へ手動転記しており、MAP変更のたびに 11回の改訂波及が発生。関連部門: Design / Production / MD。影響度「大」、該当帳票15件以上。

I-3 帳票の重複・版乱立

「VOL別在庫上代」が4コピー(全社版/更新版/全店結果版/既存店結果版)で並存し、どれが原本か不明。 LZ(倉庫WMS)向け変換マスタもcsv版とgsheet版が二重に存在。関連部門: MD / Logistics / Factory。影響度「大」、該当帳票7件以上。

I-7 データ品質・障害の未解決

商品マスタ登録エラー(HIN_20260416/20260423ほか)が常態化。未受入積送在庫の調査も未解決(田所氏調査中)。 根本原因はマスタ整備・連携検証プロセスの不足。関連部門: Logistics。影響度「中」。

参照: As-Is帳票マスタ突合表_20260706.xlsx「As-Is課題マップ」シート I-2 / I-3 / I-7、「サマリ」シート(総ファイル数79・重複版乱立フラグ7)

2正本(SoT)の考え方

SoT(Source of Truth/正本)とは、あるマスタデータについて「唯一の正しい版」と定める場所のことです。 現状は同じ情報(例:商品コード、在庫上代、GROUP MAPの色番)が複数のExcel・部門に重複して存在し、 どれが最新か分からない状態(I-2, I-3)が手動転記・二重入力・データ不整合を生んでいます。

本要件が定めるSoTの原則:

  1. マスタごとに権威となる場所(SoT)を1つだけ確定する。それ以外の場所は「複製」を作らず、SoTを参照連携する。
  2. SoT以外の場所でマスタ項目を手入力・手転記することを原則禁止とし、参照表示またはAPI/CSV連携に置き換える。
  3. SoTの更新はマスタごとに定めるオーナー(担当部門)のみが行い、更新内容は下流へ自動的に波及させる(手動転記の廃止)。
  4. 移行時は名寄せ・クレンジングを行ってからSoTへ統合する(現状の表記揺れ・重複版をそのまま持ち込まない)。

これにより、GROUP MAPの11回改訂波及やVOL別在庫上代の4重複のような「同じ情報を何度も手で直す」問題を構造的に解消することを狙います。

3対象マスタ一覧とSoT方針

要件定義書v0.1「04_マスタ統合要件」に基づく対象マスタ一覧です。

出典: CFCL_IT統合_要件定義書_v0.1_20260707.xlsx「04_マスタ統合要件」シート
マスタ現行の所在(重複実態)To-Be SoT(権威) DP該当機能移行/統合方針優先度
製品/品番FUKU296(移行中)+AO+Excel仕様書多数FUKU296(PLM)製品管理名寄せ・コード統一後、DPへ参照連携Must
取引先/サプライヤーAO仕入先マスタ+各GoogleスプレッドシートDP生産情報管理取引先統合し単一登録Must
生地仕様書内+Excel散在DP生産情報管理生地品番/色/価格/取引先で統合Must
付属/副資材仕様書内+ExcelDP生産情報管理付属/副資材統合Should
顧客JOOR+AO+ExcelDP顧客管理顧客取引条件/納品先/請求先を整備Must
シーズン各所個別DP生産情報管理シーズン新規に基準シーズンを定義Must
GROUP MAP原本Excel→全下流へ手転記(11回改訂波及)(製品マスタへ吸収)製品管理/マスタ手動追従を廃止し参照連携化Must
カラー/カテゴリ/原産国/洗濯表示Excel/変換マスタ(csv+gsheet二重)DP生産情報管理各コードマスタ移行しコード統一Should
為替レート見積FM(.xlsm、3,483列)DP生産情報管理為替管理EUR/USD等をDPで一元管理Must
銀行口座/請求条件Excel/AODP顧客管理/生産情報銀行口座請求・支払条件をマスタ化Should

前提 FUKU296(PLM)を商品/品質マスタのSoTとする方針は要件定義書v0.1の前提条件として記載されていますが、 ③マスタ正本の確定として7/17 MTGで最終確認する未確定論点の対象でもあります(本書「6. 未確定論点」参照)。

4マスタ項目定義(例:商品/品番マスタ)

対象マスタの中でも最も項目数が多く名寄せの影響が大きい「商品/品番マスタ」について、現行の商品マスタ/SKUファイル (商品マスタ_SKU_VOL.11_下げ札発注書用)の項目構成をもとに、To-Beマスタの項目定義たたき台を示します。

出典: 商品マスタ_SKU_VOL.11_下げ札発注書20260204_下げ札発注用.xlsx(実データより項目抽出)
項目区分現行項目(元資料)内容名寄せ/統一の要否
識別商品(品番コード)例: CF011AG001SNVT のような基幹品番コード要統一 AO/FUKU296/Excel間でコード体系の揺れを解消
識別SKU品番+カラー名+サイズを連結した一意キー(例: CF011AG001SNVT-TEA ROSE-F)要統一 連結ルールの表記統一(区切り文字・全角半角)
基本情報商品名1/商品名2シリーズ名/アイテム名(例: NOTCHED RIB/MINI BAG)そのままSoTへ
バリエーションカラー/商品カラー名/サイズカラーコードとカラー名、サイズ表記要統一 カラーコードマスタとの整合
コードJAN1コードJANコード(13桁)そのままSoTへ
価格税込上代単価国内税込小売価格為替レートマスタと連動し下代を自動算出
品質部位1〜30(組成表示)素材構成比率(例: ポリエステル100%、内訳表記)品番品質表マスタ(FUKU296候補)と統合
品質原産国/洗濯絵表示/ケア表示原産国表記、洗濯記号コード、ケア表示コードShould コードマスタ化して表記統一
区分国内/海外/付記用語販売エリア区分、追加注意書きそのままSoTへ
資材製品資材区分/資材引落区分下げ札等の資材管理区分付属/副資材マスタと連携

本表は「03_機能要件一覧」FR-PRD-01(製品/品番を単一登録しFUKU296を商品/品質マスタSoTとして参照連携)の対象範囲を、 実データの列構成で具体化したものです。付属/生地/取引先/顧客など他マスタの項目定義は、各ヒアリング(FR-HR-01対応)を踏まえ次版で追補します。

5名寄せ方針・更新波及ルール

5-1. 名寄せ方針

対象: 商品/品番、取引先、カラー/カテゴリ/原産国/洗濯表示、顧客の各マスタ

  1. 現状の重複実態を棚卸しする。例:VOL別在庫上代の4版(全社/更新/全店結果/既存店結果)、変換マスタのcsv/gsheet二重、HIN登録エラーの原因分析。
  2. キー項目でひも付けし、正規化する。商品/品番はSKU(品番+カラー+サイズ)を一意キーとし、表記揺れ(全角/半角、区切り文字、略称)を統一ルール化する。
  3. コード体系を統一する。カラー/カテゴリ/原産国/洗濯表示など各コードマスタをDP生産情報管理へ集約し、Excel/変換マスタ側の独自コードを廃止する。
  4. 移行前にクレンジングし、突合検証を行う。非機能要件「データ移行」に定める通り、名寄せ後クレンジングしてから移行し、移行リハーサルで突合検証を実施する。

5-2. 更新・波及ルール

  1. マスタごとにオーナー(更新権限を持つ部門)を1つ定義する。GROUP MAPのように複数部門が独自に転記する運用を廃止する(FR-GOV-01)。
  2. SoT更新時は下流へ自動反映する。手動転記(GROUP MAPの11回改訂波及)を廃止し、DPからの参照連携で下流部門は常に最新値を参照する。
  3. 複製・別バージョンの作成を禁止する。「原本一元化・命名/版管理ルール」を運用ルールとして定め、VOL別在庫上代のような4重複を再発させない。
  4. データ品質を継続監視する。商品マスタ登録エラー(HIN)のようなエラー率を継続的に低減させ、マスタ整備ルールと連動させる。

6更新フロー比較(As-Is/To-Be)

GROUP MAP(製品/品番マスタの一部)を例に、現状の手動転記フローと、SoT確定後の参照連携フローを比較します。

As-Is:手動転記(1回の改訂で11回の作業が発生)

GROUP MAP原本 (Design/企画・Excel) MD(受注/展示帳票) Production(仕様書) Store(展示会オーダー) International(CARNET等) 手動転記 ×11回/改訂

赤=手作業・二重入力が発生する痛点(I-2)。改訂のたびに4部門以上へ個別に手転記が発生。

To-Be:SoT確定後の参照連携

FUKU296 (SoT・製品/品質マスタ) DP (参照連携・自動反映) MD(自動参照・入力不要) Production(自動参照) Store(自動参照) International(自動参照) 自動連携(改訂1回で反映)

青=SoTからの自動参照連携。各部門は手転記せず、常にDP経由で最新のGROUP MAP情報を参照する。

7未確定論点

③マスタ正本(SoT)の確定 — 7/17 ERP確認MTGで確定予定

本書のSoT方針(特に商品/品番マスタ=FUKU296)は要件定義書v0.1の前提を踏襲した暫定方針(仮置き)です。 4つの未確定論点のうち下記2点は、本書のマスタ要件に直接影響します。7/17のERP確認MTGでの確定結果を受けて本書を改版します。

未確定 ③マスタの正本(SoT)の確定と名寄せ方針の最終合意
未確定 ②JOOR(海外卸)を残置しIF連携するか、DP注文管理へ集約するか(顧客/受注マスタの所在に影響)

参考として、①周辺システムAPI連携可否、④DPの機能充足(DP System QA 13問)も未確定論点全体(4論点)の一部ですが、 本書(マスタ要件)への直接影響は上記2点が主です。

8フェーズ計画における位置づけ

要件定義書v0.1「07_フェーズ計画」において、マスタSoT確定・名寄せはPhase1(基盤・最大課題)の完了条件そのものです。

Phase1|基盤・最大課題

マスタ単一化+DPコア立上げ+手作業連携の廃止

完了条件: マスタSoT確定/名寄せ完了、DPで製品〜受注運用開始、AO⇄LZ⇄スマレジ⇄Shopifyの手貼付廃止

Phase2|出荷・請求

在庫/出荷/請求・入金をDPで運用しMF連携

Phase3|高度化

可視化と会計周辺の自動化

横断|継続

運用ルール・データ品質・教育(版管理/オーナー定義の定着)