As-Is課題マップ(As-Is帳票マスタ突合表_20260706)では、全79ファイルのうち7件が重複・版乱立フラグ付きで検出されており、 マスタの二重管理・手動転記が現場の負荷とデータ不整合の主因となっています。特に以下3課題がマスタ要件に直結します。
FUKU296(PLM)への移行が途上で「新システム不明点多数」。GROUP MAP原本を全下流へ手動転記しており、MAP変更のたびに 11回の改訂波及が発生。関連部門: Design / Production / MD。影響度「大」、該当帳票15件以上。
「VOL別在庫上代」が4コピー(全社版/更新版/全店結果版/既存店結果版)で並存し、どれが原本か不明。 LZ(倉庫WMS)向け変換マスタもcsv版とgsheet版が二重に存在。関連部門: MD / Logistics / Factory。影響度「大」、該当帳票7件以上。
商品マスタ登録エラー(HIN_20260416/20260423ほか)が常態化。未受入積送在庫の調査も未解決(田所氏調査中)。 根本原因はマスタ整備・連携検証プロセスの不足。関連部門: Logistics。影響度「中」。
参照: As-Is帳票マスタ突合表_20260706.xlsx「As-Is課題マップ」シート I-2 / I-3 / I-7、「サマリ」シート(総ファイル数79・重複版乱立フラグ7)
SoT(Source of Truth/正本)とは、あるマスタデータについて「唯一の正しい版」と定める場所のことです。 現状は同じ情報(例:商品コード、在庫上代、GROUP MAPの色番)が複数のExcel・部門に重複して存在し、 どれが最新か分からない状態(I-2, I-3)が手動転記・二重入力・データ不整合を生んでいます。
本要件が定めるSoTの原則:
これにより、GROUP MAPの11回改訂波及やVOL別在庫上代の4重複のような「同じ情報を何度も手で直す」問題を構造的に解消することを狙います。
要件定義書v0.1「04_マスタ統合要件」に基づく対象マスタ一覧です。
| マスタ | 現行の所在(重複実態) | To-Be SoT(権威) | DP該当機能 | 移行/統合方針 | 優先度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 製品/品番 | FUKU296(移行中)+AO+Excel仕様書多数 | FUKU296(PLM) | 製品管理 | 名寄せ・コード統一後、DPへ参照連携 | Must |
| 取引先/サプライヤー | AO仕入先マスタ+各Googleスプレッドシート | DP生産情報管理 | 取引先 | 統合し単一登録 | Must |
| 生地 | 仕様書内+Excel散在 | DP生産情報管理 | 生地 | 品番/色/価格/取引先で統合 | Must |
| 付属/副資材 | 仕様書内+Excel | DP生産情報管理 | 付属/副資材 | 統合 | Should |
| 顧客 | JOOR+AO+Excel | DP顧客管理 | 顧客 | 取引条件/納品先/請求先を整備 | Must |
| シーズン | 各所個別 | DP生産情報管理 | シーズン | 新規に基準シーズンを定義 | Must |
| GROUP MAP | 原本Excel→全下流へ手転記(11回改訂波及) | (製品マスタへ吸収) | 製品管理/マスタ | 手動追従を廃止し参照連携化 | Must |
| カラー/カテゴリ/原産国/洗濯表示 | Excel/変換マスタ(csv+gsheet二重) | DP生産情報管理 | 各コードマスタ | 移行しコード統一 | Should |
| 為替レート | 見積FM(.xlsm、3,483列) | DP生産情報管理 | 為替管理 | EUR/USD等をDPで一元管理 | Must |
| 銀行口座/請求条件 | Excel/AO | DP顧客管理/生産情報 | 銀行口座 | 請求・支払条件をマスタ化 | Should |
前提 FUKU296(PLM)を商品/品質マスタのSoTとする方針は要件定義書v0.1の前提条件として記載されていますが、 ③マスタ正本の確定として7/17 MTGで最終確認する未確定論点の対象でもあります(本書「6. 未確定論点」参照)。
対象マスタの中でも最も項目数が多く名寄せの影響が大きい「商品/品番マスタ」について、現行の商品マスタ/SKUファイル (商品マスタ_SKU_VOL.11_下げ札発注書用)の項目構成をもとに、To-Beマスタの項目定義たたき台を示します。
| 項目区分 | 現行項目(元資料) | 内容 | 名寄せ/統一の要否 |
|---|---|---|---|
| 識別 | 商品(品番コード) | 例: CF011AG001SNVT のような基幹品番コード | 要統一 AO/FUKU296/Excel間でコード体系の揺れを解消 |
| 識別 | SKU | 品番+カラー名+サイズを連結した一意キー(例: CF011AG001SNVT-TEA ROSE-F) | 要統一 連結ルールの表記統一(区切り文字・全角半角) |
| 基本情報 | 商品名1/商品名2 | シリーズ名/アイテム名(例: NOTCHED RIB/MINI BAG) | そのままSoTへ |
| バリエーション | カラー/商品カラー名/サイズ | カラーコードとカラー名、サイズ表記 | 要統一 カラーコードマスタとの整合 |
| コード | JAN1コード | JANコード(13桁) | そのままSoTへ |
| 価格 | 税込上代単価 | 国内税込小売価格 | 為替レートマスタと連動し下代を自動算出 |
| 品質 | 部位1〜30(組成表示) | 素材構成比率(例: ポリエステル100%、内訳表記) | 品番品質表マスタ(FUKU296候補)と統合 |
| 品質 | 原産国/洗濯絵表示/ケア表示 | 原産国表記、洗濯記号コード、ケア表示コード | Should コードマスタ化して表記統一 |
| 区分 | 国内/海外/付記用語 | 販売エリア区分、追加注意書き | そのままSoTへ |
| 資材 | 製品資材区分/資材引落区分 | 下げ札等の資材管理区分 | 付属/副資材マスタと連携 |
本表は「03_機能要件一覧」FR-PRD-01(製品/品番を単一登録しFUKU296を商品/品質マスタSoTとして参照連携)の対象範囲を、 実データの列構成で具体化したものです。付属/生地/取引先/顧客など他マスタの項目定義は、各ヒアリング(FR-HR-01対応)を踏まえ次版で追補します。
対象: 商品/品番、取引先、カラー/カテゴリ/原産国/洗濯表示、顧客の各マスタ
GROUP MAP(製品/品番マスタの一部)を例に、現状の手動転記フローと、SoT確定後の参照連携フローを比較します。
赤=手作業・二重入力が発生する痛点(I-2)。改訂のたびに4部門以上へ個別に手転記が発生。
青=SoTからの自動参照連携。各部門は手転記せず、常にDP経由で最新のGROUP MAP情報を参照する。
本書のSoT方針(特に商品/品番マスタ=FUKU296)は要件定義書v0.1の前提を踏襲した暫定方針(仮置き)です。 4つの未確定論点のうち下記2点は、本書のマスタ要件に直接影響します。7/17のERP確認MTGでの確定結果を受けて本書を改版します。
参考として、①周辺システムAPI連携可否、④DPの機能充足(DP System QA 13問)も未確定論点全体(4論点)の一部ですが、 本書(マスタ要件)への直接影響は上記2点が主です。
要件定義書v0.1「07_フェーズ計画」において、マスタSoT確定・名寄せはPhase1(基盤・最大課題)の完了条件そのものです。
マスタ単一化+DPコア立上げ+手作業連携の廃止
完了条件: マスタSoT確定/名寄せ完了、DPで製品〜受注運用開始、AO⇄LZ⇄スマレジ⇄Shopifyの手貼付廃止
在庫/出荷/請求・入金をDPで運用しMF連携
可視化と会計周辺の自動化
運用ルール・データ品質・教育(版管理/オーナー定義の定着)