プロジェクト実行 実務ガイド(MNML版)

PMが「どのタイミングで・何を・どうすべきか」に迷わないための実務指針。
一般的なシステム開発の進め方を、MNMLの行動規範「見立てる → 仕立てる → 動かす」に対応づけて整理した。本サンプル版は「構想〜要件定義」フェーズのみ詳細に記述し、以降は見出しのみ(後日拡張)。

このガイドの前提
MNMLは一人法人+AIエージェント組織で回している。ここで言う「PM」は、案件ごとに要件を確定し、W層(社内サブエージェント)やベンダー(Web Claude)へ委譲し、成果を束ねるM層の役割そのものを指す。大規模開発の教科書的な手順をそのまま持ち込むのではなく、「少人数・高速・Issue駆動」の実態に合わせて必要な部分だけ抜き出すのが本ガイドの狙い。
目次
  1. このガイドの狙い
  2. 3段 × フェーズ 対応マップ
  3. 各フェーズの読み方(4点セット)
  4. 【詳細】構想フェーズ
  5. 【詳細】要件定義フェーズ
  6. 【見出しのみ】設計 / 開発 / テスト / リリース / 運用

1. このガイドの狙い

プロジェクトで事故が起きるのは、多くの場合「技術力が足りない」からではなく、今どの段階にいて、その段階で本来やるべきことを飛ばしたから起きる。要件が固まる前に作り始める。作り終えてから「そもそも何を作るんだっけ」を議論する。こうした手戻りは、段階(フェーズ)ごとの「やるべきこと」と「まだやってはいけないこと」を明文化しておくだけで、かなりの割合が防げる。

本ガイドは、システム開発でよく使われるフェーズ分割の考え方を土台に、各段階について次の4点だけを短く定義する。①ゴール ②PMの標準タスク ③よくある失敗と対策 ④MNMLのIssue運用への落とし込み。読んで判断に使えることを最優先とし、網羅性より実用性を採る。

本ガイドが踏まえているのは、システム開発PM向けに体系化された一般的な実行メソッド(フェーズを区切り、各フェーズで標準タスクを回し、PMが判断の門番になるという考え方)である。方法論の骨格はその一般論に負っているが、本文の記述・表・チェックリストはすべてMNML向けに書き下ろしたオリジナルであり、特定書籍の文章を引用・複製したものではない。

2. 3段 × フェーズ 対応マップ

MNMLの行動規範は仕事を3段で捉える。この3段に、システム開発の標準フェーズを次のように割り当てる。

見立てる状況を正しく理解する
構想 要件定義
仕立てる解決策を設計する
設計
動かす実行し成果を出す
開発 テスト リリース 運用
その段の問い含まれるフェーズこの段を終える判定
見立てる本当に解くべき問題は何か。誰が困っているか。構想・要件定義「何を・なぜ作るか」が測定可能な形で合意されている
仕立てるそれをどう実現するか。どの順で組むか。設計作り方が決まり、着手可能な単位に割れている
動かす本当に動くか。使われるか。回り続けるか。開発・テスト・リリース・運用本番で価値が出て、壊れても復旧できる
MNML流のいちばんの勘所
「見立てる」を飛ばさないこと。MNMLの進め方プロセス(要求 → 要件 → 問題定義 → 課題設定 → 論点 → タスク)は、この最初の段をきちんと踏むための仕組みそのものだ。要求のまま着手しない・問題が定義されるまで課題を作らない —— このガイドで最も厚く書くのが構想〜要件定義なのはそのため。

3. 各フェーズの読み方(4点セット)

以降の各フェーズは、必ず同じ4項目で書く。迷ったらこの順に確認すればよい。

#項目読み方
この段階のゴールここを抜けてよいと言える状態。曖昧なら次へ進まない。
PMの標準タスクPM(=M層)が自分の手で必ずやること。委譲してよい作業と分ける。
よくある失敗と対策この段で典型的に事故る型。先回りで潰す。
MNMLのIssue運用この段の成果をSlack/GitHub Issueにどう残すか。SoTの置き場所。

見立てる4. 構想フェーズ

まだ「作る」と決めていない段階。作るに値するかを見極める。

① この段階のゴール

GOAL
「誰の・どの困りごとを・どれくらい解消したいのか」が一枚で言える状態

構想の出口は、立派な企画書ではない。「解くべき問題」と「解けたと言える基準」が一致していることが唯一の合格条件だ。ここが曖昧なまま先に進むと、以降のすべての段階が空中戦になる。逆に、ここで「今回はやらない」と決められることも、構想フェーズの立派な成果である。

② PMの標準タスク

委譲してよい作業: 市場・技術の下調べ、類似事例の収集はW層(researcher)へ。ただし「作るか作らないか」「成功基準の設定」の判断はPM=M層が手放さない。

③ よくある失敗と対策

失敗の型何が起きるか対策
要求のまま着手「〜したい」を要件と誤認し、作った後にズレが発覚要求→要件(定量化)の変換を必ず1ステップ挟む
解決策ありき「AIで」「このツールで」から入り、問題を後付け先に困りごと、後に手段。手段から入ったら一度戻る
成功基準なし完成しても「良くなったのか」を誰も判定できない数値・締切・Done条件を構想時点で1つは決める
影響範囲の見落とし後工程で「あの業務にも関わる」が噴出し手戻りステークホルダーと既存資産(過去Issue・成果物)を先に確認

④ MNMLのIssue運用にどう落とすか

構想段階のSoTはSlackスレッド(議論)。まだGitHub Issueは起票しない。CEOとM層の対話で要求を要件へ寄せ、成功基準の合意までをスレッドに残す。着手GOが出て初めてIssue化する。

見立てる5. 要件定義フェーズ

「作る」と決めた対象を、着手できる粒度まで確定する段階。

① この段階のゴール

GOAL
受け入れ条件(Done の定義)が箇条書きで書き切れている状態

要件定義の出口は、「これが満たされたら完了」と誰が見ても判定できるチェックリストだ。仕様の細部を100%詰め切る必要はない(それは設計以降でよい)。だが「何ができれば終わりか」だけは、着手前に確定させる。ここが決まればW層・ベンダーへ安全に委譲できる。

② PMの標準タスク

③ よくある失敗と対策

失敗の型何が起きるか対策
スコープの無限膨張「ついでにこれも」で終わりが見えなくなるスコープ外リストを先に作り、追加は別Issueに切る
Done条件が曖昧成果物を見て「これで合ってる?」の往復が続く受け入れ条件をテスト可能な文で、着手前に固定
入出力の未定義実装者が想像で作り、様式が食い違う入力例・出力例を1組でも添える
要件理解前の着手作り直しコストが最大化「要件が理解できていない状態では着手しない」を徹底
委譲先の選択ミス破壊的操作を社内ローカルでやり事故るpush/本番を伴う流れはベンダー(Web Claude)へ回す

④ MNMLのIssue運用にどう落とすか

要件が確定したら、SoTはSlack → GitHub Issueへ移る。M層が下記テンプレでIssueを起票する。以降、作業のSoTはこのIssueになる。

## 経緯
(Slack thread の議論サマリ — なぜこの要件になったか)

## 要件
(確定した実装内容 / スコープ内・外)

## 受け入れ条件
- [ ] (Done の定義。テスト可能な粒度で)
- [ ] ...

## メタデータ
- 依頼者: (CEO / 自発)
- M層: (chief / platform / ...)
- Slack thread: (URL or thread_ts)

@claude

6. 設計 / 開発 / テスト / リリース / 運用(今後拡張)

以降のフェーズは本サンプルでは見出しのみ。4点セット(ゴール/標準タスク/失敗と対策/Issue運用)で順次書き足す。

仕立てる6-1. 設計フェーズ
① ゴール: 作り方が決まり、着手単位に割れている / ② 標準タスク / ③ よくある失敗と対策 / ④ Issue運用 (後日詳細化)
動かす6-2. 開発フェーズ
① ゴール / ② 標準タスク / ③ よくある失敗と対策 / ④ Issue運用 (後日詳細化)
動かす6-3. テストフェーズ
① ゴール / ② 標準タスク / ③ よくある失敗と対策 / ④ Issue運用 (後日詳細化)
動かす6-4. リリースフェーズ
① ゴール / ② 標準タスク / ③ よくある失敗と対策 / ④ Issue運用 (後日詳細化)
動かす6-5. 運用フェーズ
① ゴール / ② 標準タスク / ③ よくある失敗と対策 / ④ Issue運用 (後日詳細化)